懐かしい日本の風景とそこに住む猫たちの世界を再現する造形作家のりゅうざぶさん。
愛猫家からの人気は高く、「作品を見たら元気になった」「見ているだけで楽しい気持ちになる」「この時代には生まれていなかったけれど何だか懐かしい気持ちになる」と絶賛されています。
ⓒ写真 /山口規子
東京・京橋『メゾンドネコ・アートギャラリー』で開催される個展イベントが11 月1日(火)〜7日(月)に控える、りゅうざぶさんにお話をいろいろうかがいました。
独学で唯一無二の造形作家に
――りゅうざぶさんというお名前の由来は。
「30年ぐらい前、最初に飼った猫の名前が、りゅうざぶろうだったんです。そこから、りゅうざぶという名前にしました」
――どのようなきっかけで造形作家になったのでしょうか。
「きっかけはよくわからないんですけど、可愛い猫を形に残したいという思いが急に降ってきまして。その当時、流行っていた紙粘土で本を見ながら作り始めました。最初のうちは座布団に乗っている猫みたいな作品だけでした。でも、作り続けていくうちに、創造の世界が広がっていきました」
――独学なんですね。美大を出たとか、誰かのお弟子さんになるとかではなく……。
「独学です。独学なので、自分のやり方が本当に正解なのか今でもわからないんですけど」
――作品の素材はずっと紙粘土ですか。
「始めた当時は紙粘土でしたけど、今はもっといい物が出ています。樹脂粘土や石粉粘土とか。猫は石粉粘土、ミニチュアの葉っぱは柔らかくて折れにくい物は透明感のある樹脂粘土。作る物によって使い分けています」
りゅうざぶさん
作品の猫たちは自由でのびのび
――昭和の懐かしい風景と猫が自然に溶け込んでいる作品のアイディアの源は。
「自分が住んでいる長野県の茅野市、生まれ育った隣の諏訪市は田舎で景色がとてもいいところなんです。今でも新たな景色を発見することがあって、そういう気づきが作品に活かされています。過去と今のいい部分を、りゅうざぶ的景色にして作り上げることをモットーとしています」
――猫たちはみんなのびのびしていますね。
「今って猫たちは家にいることが多いですが、昔はもっと自由でした。昔の自由だった頃の猫たちに思いを馳せていて、今はそういうふうにできないけど作品の中では楽しく自由にできたらいいなと思っています」
ⓒ写真 /山口規子
――作品づくりのうえで、これからの課題はありますか。
「猫の表情をもっと上手に作りたいですね。カメラマンさんに作品を撮ってもらった後で、猫の顔がちゃんと表現できていないと気づくときがあるんです。一匹ずつある猫の表情を、どんなに小さくてももっと表現できるようになりたいです」
取材・文/シン上田
■りゅうざぶRYUZABUプロフィール
生まれ育ち現在も居住している長野県諏訪地域の現風景と、今は無くなってしまった景色の記憶を辿り作品に反映させています。そして当たり前に人間と共に生活していた猫たちにも想いを馳せて制作しています。
1997年猫の立体制作開始
2000年より作品展・個展開催
2006年八ヶ岳美術館にて個展・企画展・特別展開催。茅野市民館ギャラリーにて個展開催。現在1年に1度ほどのペースで個展を開催。
【Twitter】@ryuuzabu
【Instagram】ryuuzabu_staff
「りゅうざぶ個展 2022 平穏な日々」
開催日時:11月1日(火)から7日(月)13:00〜19:00
祝日・日曜・最終日は17:00 迄。
場所:Maison de neko(メゾンドネコ)
〒104-0031東京都中央区京橋1-6-14 佐伯ビル2F
JR東京駅南口より徒歩8分/地下鉄銀座線京橋駅6番出口より徒歩2分
都営浅草線宝町駅A6出口より徒歩2分
銀座一丁目駅、日本橋駅、JR神田駅から徒歩10分圏内
*イベント詳細はアートギャラリー公式HPで発表させて頂きます。